長かった塩の旅も、ここでひと区切り。
選べる時代になったからこそ、 私は毎日体に入る塩を、
できるだけ“やさしいもの”にしたいと
思うようになった。 これは私の個人的な意見だけれど、
料理の味も、体の感覚も、ほんの少し変わる。
■ 精製塩は悪ではない。ただ、用途が違うと思っている
のとこの塩を調べ始めた頃は、 「精製塩=悪」というイメージがどこかにあった。
そもそも、工業用の塩があることすら知らなかった。
でも、構造を知れば知るほど、そんな単純な話ではないことが分かった。
イオン交換膜法で作られる精製塩は、 ほぼ純粋な塩化ナトリウム(NaCl)。
ミネラルがほぼゼロで、均質性が高く、化学反応が安定する。
だから本来は── 工業用途に向いている塩だと私は思っている。
- ソーダ工業
- PVC(塩ビ)製造
- 洗剤の原料
- 医薬品の原料
- 食品加工の大量生産ライン
こういう「大量生産」「均質性」「化学反応の安定性」が求められる場面では、
精製塩はとても理にかなっている。
ただ、飲食店のコスト管理や加工食品の都合で、 食卓にも広く流通するようになっただけで、
“毎日体に入れる塩”としては向いていない気がしている。
これは私の個人的な意見だけれど、 塩を調べていくほどに、そう感じるようになった。

■ 日本の塩文化は、ほんまに深い
ここからは、私が調べていく中で「これは紹介したい」と思った塩たち。
私自身、藻塩や能登の塩はまだ食べたことがないけれど、
どれも日本の塩文化を象徴する存在だと思っている。
■ 藻塩(海人の藻塩)──古代の海藻文化の象徴
藻塩は、日本最古の塩文化のひとつ。
海藻(ホンダワラ)を煮出して“藻汁”を作り、そこから塩を炊く昔ながらの製法。
- 色は少し茶色
- 海藻の旨味がしっかり残る
- コクが深い
- 古代の製法をほぼ再現している
広島の「海人の藻塩」は、 私が調べた中で一番“古代の藻塩”に近いと感じた塩。
料理に使うと、 海藻の旨味がふわっと広がって、味がやさしくまとまる。
■ 能登の塩(揚げ浜式)─古代の海水塩文化が現代まで残った奇跡
能登半島の珠洲市で続く「揚げ浜式製塩」。
これは日本でほぼ唯一残っている古代の海水塩づくりの姿。
- 砂に海水を撒く
- 砂が海水を吸う
- その砂を集めて濃い塩水を作る
- 釜で炊く
- とんでもなく手間
- 生産量が少ない
- 味が濃い
- ミネラルが豊富
能登の塩は、 「海水文化の原点」がそのまま残っている奇跡のような存在だと思う。
|
海水塩 [Ante] DENEN 奥能登揚げ浜塩田 しお 80g /でんえん 希少 北陸 石川県 能登半島 加賀 海水塩 浜式製塩 揚げ浜式 伝統方式 ミネラル豊富 国産 価格:970円 |
![]()
■ 山塩──日本に“海水じゃない塩”がある
山塩は、ほんまにレア。 山の温泉水を煮詰めて作る、日本ではほぼ唯一の“山の塩”。
私は福島に旅行したとき、 お土産物屋さんで偶然この山塩を見つけて、実際に購入した。
正直に言うと── どれが一番うまいとか、そういう判断は私にはできない。
ただ、使っていくうちに、
- なんとなく甘みがある
- 塩味だけじゃない奥深さがある
- 旨味があるような気がする
そんな“静かな違い”を感じるようになった。
でもそれ以上に、私はこう思った。
どうせ使うなら、体にいいものを選びたい。
そして、日本で塩文化を支えてくれている人たちに ささやかな感謝の意味を込めたい。
■ 選べる時代になったからこそ、私は天然塩を選びたい
精製塩は悪ではない。 ただ、用途が違うと思っている。
工業や大量生産の現場では精製塩が最適。 でも、毎日体に入れる塩は、 私は天然塩を選びたい。
これは私の個人的な意見だけれど、 塩を変えるだけで料理の味が変わるし、 体の感覚も変わる。
そして何より── 本物を選ぶという行為は、未来への静かな投票だと思っている


コメント