食と身体の関係

食と体の関係

──痛風に至るまでの、私の身体の歴史**

子供の頃、うちの実家はとにかく“食に厳しい家”だった。 特に親父は、食材に対して徹底していた。

インスタントラーメン、お菓子、ハム・ソーセージ、 着色料が入った食品、輸入の果物──

そういう“超加工食品”は家に、ほとんどなかった。

牛乳だけは「カルシウムが摂れる」という理由で、 多い日は1リットル飲んでいたけれど、

基本は薄味で、出汁の効いた和食が中心だった。

おかんの料理は、 昆布や鰹の旨味がしっかりしていて、 薄味でもちゃんと美味しかった。

ただ、子供の私には少し物足りなくて、 親の目を盗んでマヨネーズや醤油を足していたのを

覚えている。

じいちゃん家で覚えた“禁断の味”

小学校ではお菓子の話がよく出る。 でも私は話に入れなかった。

家にお菓子がないからだ。

そんな事情を知っていたじいちゃんは、 ポテトチップスや清涼飲料水、

インスタントラーメンを こっそり食べさせてくれた。

あれが、私にとっての“禁断の味”だった。

小4でアレルギー性鼻炎が発症

検査の結果は、 ハウスダストとカモガヤ(イネ科の花粉)。

年に2〜3回、 一度出ると2〜3日は続く。 まだ軽度だったけれど、

「身体が何かに反応している」 という最初のサインだったのかもしれない。

20代:比較的健康だった時期

社会人になって都心部で暮らすようになり、 カモガヤの症状はほぼなくなった。

この頃、テレビで“乳糖”の話を知った。 「大人になると分解しにくくなる人が多い」と。

それをきっかけに、 私は牛乳をやめてみた。

すると、数週間で 首まわりがすっきりしたのを覚えている。

当時は深く考えなかったが、 今思えば、これが最初の “食を変えると身体が変わる”

体験だったのかもしれない。

お菓子はポテトチップスだけ。 インスタントは袋麺+野菜。 ハムや清涼飲料水は避ける。

家飲みはほぼなし。

この頃は、 健康状態はかなり良かった。

30代:肉体労働・多忙・外食中心へ

転職して現場仕事になり、 週一休みもないほどの多忙な日々。

自炊は休日だけ。 朝は納豆と味噌汁を続けていたけれど、 昼夜は外食がメインになった。

30代半ばになると、 ようやく自分の時間ができて自炊も増えたが、

同時に“一人飲みの楽しさ”も覚えてしまった。

外飲みは増えたけれど、 家飲みは控えていたから、 健康状態はまだ悪くなかった。

ただ── アレルギー性鼻炎だけは、年々ひどくなっていった。

最初は市販薬で効いていたのが、 いつしか処方薬じゃないと抑えられなくなった。

30代後半〜40代:食の乱れと鼻炎のピーク

自炊が減り、 家に常備していたのは袋麺とポテトチップス。

「じゃがいもだから大丈夫」 「麺を茹でたお湯は捨ててるからマシ」

そんなふうに思い込んでいた。

親父が言っていた “揚げ油が悪い” という言葉は頭の片隅にあったけれど、

深く考えることはなかった。

鼻炎は年々重くなり、 処方薬が手放せなくなっていった。

そして40代半ば、コロナ禍のある朝──

緊急事態宣言で家飲みが増え、 その後はまた多忙な日々に戻った。

外飲みは減り、 夜はスーパーの総菜で晩酌する生活。

そんなある初夏の朝、 右足の親指に小さな腫れ物ができた。

痛みはなかった。 歩けたし、走れた。

でも昼過ぎ── 急に痛みが走った。

近所の整形外科へ行くと、 診断は 「痛風」

医者は私の体型を見て言った。

「暴飲暴食するタイプには見えない。 食生活を見直しなさい。」

尿酸値を下げる薬は出ず、 ロキソニンだけ。

1週間、ほとんど動けなかった。

その時間、 私はネットやYouTubeで“食”を調べまくった。

そして気づいた。

あれ、これ全部、身体がずっと出していたサインだったのではないか。

痛風は“終わり”ではなく、“始まり”だった

痛風の痛みが引くまでの一週間、 私はほとんど動けなかった。

ただ、その時間があったからこそ、 初めて“自分の身体の歴史”を ちゃんと振り返ることができた。

子供の頃に親父が避けていた食べ物。 じいちゃん家で覚えた禁断の味。 小4で始まった鼻炎。

20代の安定。 30代の外食と多忙。 年々重くなるアレルギー。 そして、コロナ禍の生活。

全部がバラバラの出来事だと思っていたけれど、 あの痛風の朝、 それらが一本の線で

つながったような気がした。

身体はずっと前から、 何かを伝えようとしていたのではないか。

そう思った瞬間、 痛風は“終わり”ではなく、 私の食の歴史を見直すための始まりに変わった。

そして今になって思う。 もしあのとき整形外科の先生に 「食生活を見直しなさい」と

言われていなければ、 この始まりは訪れていなかった。

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